職員から「AIって大丈夫なの?」と聞かれて、ルール作りが始まった

新しい業務アプリやAIを施設に入れようとしたとき、最初のきっかけは技術的な検討ではなく、現場の職員から出た心配や疑問の声でした。「AIに利用者さんの情報を入れて大丈夫なの?」という、ごく自然な不安です。

同時に、新しい業務アプリを導入するには、ルール整備がそもそも前提として必要でした。この2つが重なって、情報セキュリティの規程づくりが始まりました。

いま作っているもの(協議中の案)

筆者は、法人で、情報セキュリティの運用規程と、職員向けのAIルールブック、導入のスケジュール案を、ナギと一緒に作っています。規程は第3版で、いま協議している段階です。理事会の承認は、まだです。

進め方の順番は、職員向けの分かりやすいルールブック、テスト運用(利用者・家族の同意を得てから)、理事会の承認、正式運用、です。正式運用は、来年4月を予定しています。

最初に手をつけたのは「情報の4段階分類」

最初に手をつけたのは、情報を「公開・一般」「内部」「個人情報」「要配慮・高機密」の4段階に分けることでした。そして、扱えるアプリやツールを、段階ごとに制限します。

4段階に分けると、もう一つの課題が見えてきました。連絡手段が複数あり、機能(掲示板・業務連絡・ワークフロー)が重なって存在していたのです。どのツールが何を担当するのかを、整理する必要がありました。

規程の骨子(案)

  • 生成AIは、法人が承認したアプリの範囲内だけで使う。個人のChatGPTなどに、利用者の情報を無断で入れることは禁止する
  • 録音・文字起こしは、重要事項説明書での同意が前提
  • 私物の端末(BYOD)は、画面ロックなどの条件を満たせば、事前申請なしで使える。強制ではなく、任意
  • AIの出力は「下書き」で、最終判断は必ず人が行う

一番難しかったこと

一番難しかったのは、「現場の職員が実際に守れるルールにすること」でした。厳しくしすぎると、現場が使わなくなります。緩くしすぎると、危険になります。そのバランスです。

私物の端末のルールは、最初は事前申請制でした。それを、条件を満たせば、事前申請なしで使える形に変えました。このように、作りながら何度も調整しました。

担当者の注釈で直したこと

ルールブックなどの文書は、法人内の担当者が、疑問点や修正の依頼を、黄色のハイライトで書き込んでくれました。それを見ながら、直しました。たとえば、次のとおりです。

  • 見出しはあるのに、本文が書かれていない節を見つけて、説明文を足した
  • 規程の本体は第3版なのに、ルールブックは第2版のままだったので、直した
  • 「ログインに使う端末は、施設のものか私物か」という注釈に、「施設内の端末でも、約束を守った私物のスマホでも、どちらでもかまいません」と明記した
  • 「使えるところを具体的に」という注釈に、情報分類の表を、抽象的な言い回しから、実際のアプリで何ができるかが分かる書き方に、書き直した

気づいたこと

規程やルールブックのような文書は、正しいだけでは足りません。現場の職員が読んで、「何をしていいか、いけないか」が具体的に分かる書き方が大事だと感じています。抽象的な言葉より、実際のアプリの名前や操作で書きます。

「職員の不安の声」から始まったこの取り組みは、完成がゴールではありません。現場の声を聞きながら、直し続けていくものだと考えています。

この記事はAIの補助を受けて作成し、介護現場18年の筆者が内容を確認しています。

この記事を書いた人

介護の現場で18年。介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネジャー)。介護の仕事をする人が、AI や Excel を安全に、無理なく使えるように、公開されている資料と現場の経験で確かめた使い方を書いています。

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