ケアマネ資格はAI時代に本当に必要か?──「顔が浮かぶプラン」を書くのは人

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「AIがケアプランを作るようになるなら、ケアマネの資格は取る意味があるのか」。AIの話題が広がるなかで、そう考える人もいるかもしれません。

先に答えを書くと、筆者の考えは「取っておいて損はない」です。資格は、見える情報も、任される仕事も、両方増やしてくれる道具でした。そしてAIの時代になっても、プランを見たらその人の顔が浮かぶ、そんなプランを書くのは人だと考えています。介護の現場で18年働いてきた筆者の経験から、その理由をお話しします。

資格を取るまで

筆者が最初に取ったのは介護福祉士です。次に社会福祉士、その後にケアマネジャーの順でした。社会福祉士では、知識を増やしたくて、先に学校へ行きました。受験資格を得るには大学に行き直す必要があり、通信で学びました。そのため、ケアマネの実務経験のほうが遅くなりました。

社会福祉士の試験と同じ時期にケアマネの試験も受けたものの、さすがに無理があったのか、そのときケアマネは不合格。その後に改めて合格しています。

ケアマネの仕事は「プランを書く」だけではない

ケアマネジャーの仕事というと、ケアプランを書く人というイメージが強いかもしれません。けれども実際の仕事は、その前後に広がっています。

まず、本人や家族から話を聞き、暮らしの困りごとや望みを整理する。次に、それをもとにケアプランをつくり、サービス事業所や医療、行政と調整して、担当者会議で合意をつくる。サービスが始まってからは、定期的に様子を確かめ、合わなくなったところを見直していく。ケアプランは、この流れの真ん中にある一枚にすぎません。

筆者は地域包括支援センターで、社会福祉士とケアマネを兼任しました。ケアマネとしては担当を持ち、要支援の方の介護予防ケアプランを作るのが主な仕事でした。一人ひとりの暮らしに合わせて、どこを支え、どこをご本人の力に任せるかを考える。その積み重ねが、ケアマネの仕事の中身だと感じています。

資格を取って、何が変わったか

取ってよかったと思うことはいくつもあります。一言でいえば、見える情報も、任される仕事も、両方増えました。

まず、制度に詳しくなれたこと。介護保険の仕組みやお金の流れが見えるようになり、「なぜこのサービスはこう使うのか」を説明できるようになりました。他の職種と同じ言葉で話せるようになり、任される仕事も変わりました。

そして一番大きかったのは、現場を見る目が変わったことです。それまでは、施設にいる今の利用者さんしか見えていませんでした。ケアマネとして学び、働くなかで、その方が在宅でどんな家庭で暮らし、どんな生活歴を持っているのかを想像できるようになり、ケアに幅が出ました。

資格があったから動けた場面

資格があったからこそ動けたと感じるのは、難しいケースの判断の場面です。たとえば、複数の制度をまたぐ相談、権利擁護に関わる対応、家族全体が抱える問題、関係機関との調整といった場面です。

地域包括には、関わりの難しいケースが多く回ってきました。ゴミ屋敷の状態で暮らす方をサービスにつなぐことや、サービスを拒否している方が適切な支援とつながれるよう働きかけることです。現場では「社福ケース」と呼ばれることもある種類のケースですが、そうしたケースでも、ケアマネとして担当につき、制度を知ったうえで動けました。社会福祉士とケアマネ、両方の視点を持てたことで、プランナーとしても広い視野で支援に当たれたと思います。

AIに任せられること、人にしかできないこと

ケアマネの仕事のうち、AIが支えやすいのは書類の部分です。ケアプランの文章の下書き、担当者会議録の要約、給付管理の計算やチェックなどは、うまく使えば負担を減らせます。

一方で、本人や家族の意向を聞き取ること、多職種で合意をつくること、権利擁護に関わる判断、モニタリングでの小さな変化に気づくことは、資格を持つ人の判断が欠かせません。

筆者自身、ケアプランの下書きを手伝う仕組みを自分で作りましたが、現場ではまだ使われておらず、これから使ってもらう段階です。そのうえで、一番心配していることがあります。職員が、考えなくなることです。下書きがあると、そこから先を自分の頭で組み立てる手が止まってしまうかもしれません。

ほかにも、その人らしさが心配です。AIに任せると、どの人のプランも同じようなパターンになってしまうと思います。研修で「プランを見たら、その人の顔が浮かぶように作りなさい」と言われたことがありますが、それはまだAIには難しいところです。

また、機械に伝えられるのは表面的なことだけだという点もあります。本人が気づいていない課題や、言い出しにくい課題を引き出すのは、面談の中で人がやるしかありません。そして、AIが書いた文は、人が読んで確かめてから使う必要があります。

個人情報の扱いについては、法整備の側がきちんと整えるべきことだと考えています。介護ソフトにもすでにAIが使われ始めています。筆者はAIを使うことに前向きな立場ですが、よく知らないほど怖がって「使わない」という選択になりやすいとも感じます。

これから資格を取ろうか迷っている人へ

後輩に「ケアマネを迷っている」と言われたら、まず、本人のペースを尊重する、と言います。筆者自身は「取っておいて損はない」と思っていますが、取る時期も順番も、人によって違うからです。

そのうえで、この人の暮らしをどう組み立てるかを考えるのが好きな人、相談援助や多職種連携に興味がある人には、見える景色が変わる資格です。

まとめ:資格は、見える範囲を広げる道具

AIがあるから資格がいらない、ということではありません。資格は、制度への理解と、施設の中から暮らし全体へ広がる視野をくれました。AIが書類を巻き取るほど、その人の顔が浮かぶプランを書く力、言い出しにくい課題を引き出す力が、人の仕事として前に出てきます。そして、考えることをやめない人が、そこを担います。

この記事はAIの補助を受けて作成し、介護現場18年の筆者が内容を確認しています。

この記事を書いた人

介護の現場で18年。介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネジャー)。介護の仕事をする人が、AI や Excel を安全に、無理なく使えるように、公開されている資料と現場の経験で確かめた使い方を書いています。

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