ケアマネがAIに頼むときの型:個人情報を入れずに、使える下書きにする頼み方

ケアマネがChatGPTに投げるプロンプト、成果が出る型と出ない型の分かれ目 AI活用術

ケアマネジャーの仕事には、書く作業が多くあります。モニタリングの記録、ご家族への説明文、担当者会議の資料などです。AIに下書きを頼もうとして、「一般論ばかりで使えない」と感じた方もいると思います。この記事では、頼み方(プロンプト)の型と、個人情報の扱いを、順番にまとめます。

なお、筆者は、ケアプランの下書きへのAIの活用を、いま導入の準備として進めている段階です。まだ本格的には使っていません。この記事は、実績の紹介ではなく、頼み方の考え方の整理です。

使えない答えが返ってくる、よくある理由

「モニタリング記録を書いて」とだけ頼むと、AIには、誰の、どんな状況の記録なのかが分かりません。そのため、当たり障りのない一般論になります。AIの性能だけの問題ではなく、頼み方の問題が大きいと考えています。

ケアマネの仕事で、特に起きやすい壁が3つあります。

  1. 個人情報を入れられない。 氏名や住所を伏せると、状況が抽象的になり、答えも一般論になりやすい
  2. 介護保険の用語が、伝わりにくい。 「自立支援」「意向」のような言葉の意味が、曖昧に扱われることがある
  3. 施設や地域のルールがある。 一般的な答えでは、自分の所のルールに合わない

頼み方の型:役割・状況・出力の形・条件

次の順番で、1回のメッセージに書きます。

  1. 役割:「あなたは介護支援専門員の立場で書いてください」
  2. 状況:事実を具体的に書く(例:「最近調子が悪い」ではなく「服薬の飲み忘れが週に数回ある」)
  3. 出力の形:見出し、文字数、文体を指定する
  4. 条件:「様子観察」「特変なし」のような曖昧な表現は避ける、など

例1:モニタリング記録の下書き(例で、実在の方ではありません)

あなたは介護支援専門員です。次の情報から、モニタリング記録の下書きを作ってください。
【利用者の状況】(氏名は伏せています)
・80代女性、独居、要介護2
・利用サービス:通所介護、訪問介護(生活援助)
・前回からの変化:入浴を拒んでいたが、今月から入れるようになった
【出力の形】
1. サービスの提供状況 2. 目標の達成状況 3. 本人・家族の意向 4. 今後の方針
【条件】
・自立支援の視点を含める
・「様子観察」「特変なし」のような曖昧な表現は避け、具体的に書く

例2:ご家族への説明文の下書き(例です)

あなたは介護支援専門員です。遠方に住むご家族に向けて、お手紙の文案を書いてください。
【状況】服薬の飲み忘れが増えている。訪問看護の追加を検討したい
【トーン】不安をあおらず、事実を落ち着いて伝える。提案は押しつけず、選択肢として示す
【入れる要素】現状の事実・考えられるリスク・提案する内容・ご家族に判断してほしい点
【条件】400字前後、敬体

個人情報は入れない。入れる前の決まりを先に

氏名・生年月日・住所・連絡先は、AIに入れません。「Aさん」のように置き換えても、特定につながる情報が残る場合があります。外部のAIを業務で使ってよいかは、施設や法人の方針で決まります。迷うときは、管理者や情報セキュリティの担当者に相談してからにします。

筆者は、AIに入れる前の決まりは、品目の線引きよりも順番の話だと考えています。セキュリティを整える、職場のルールを作る。そのあとで入れる、という順番です。

出てきた文章は、下書きとして扱う

AIの文章は、もっともらしく書けてしまいます。記録は、公的な証拠にもなります。事実と合っているか、本人の言葉のニュアンスが落ちていないかを、自分の目で確かめます。次の2点にも気をつけてください。

  • 文章が整いすぎて、浮くことがある。 自分の言葉に直す工程を入れます
  • 同じ頼み方を共有すると、書き出しが似てくることがある。 書き手ごとに、文体の指定を変える方法があります(これは、考えられる対策の一例です)

制度の点数や加算の要件は、AIの答えに頼らず、厚生労働省などの一次の資料で確かめます。

まとめ

  • 頼み方は、役割・状況・出力の形・条件の順
  • 個人情報は入れない。入れる前に、職場のルールを確認する
  • 出てきた文章は下書き。事実の確認と、最後の判断は人間の仕事
この記事を書いた人

介護の現場で18年。介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネジャー)。介護の仕事をする人が、AI や Excel を安全に、無理なく使えるように、公開されている資料と現場の経験で確かめた使い方を書いています。

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