安全のために入れたバックアップ機能が、新しい問題になった話
これは短い話ですが、業務自動化をする人には共有しておきたい失敗談です。
介護施設の勤務表マクロを運用する中で、「自動処理でデータが壊れたら怖い」という当然の不安がありました。そこで、マクロ実行時に自動でバックアップファイルを作る機能を追加しました。ここまでは、誰が聞いても正しい判断だと思います。
気づいたら、フォルダがバックアップだらけになっていた
問題はその後です。マクロを実行するたびにバックアップが作られる仕様にしていたため、テストで何度も実行したり、毎月の運用を重ねたりするうちに、フォルダの中がバックアップファイルで埋め尽くされていきました。
こうなると、新しい問題が生まれます。どれが最新のファイルか分かりにくくなる。本当に戻したいときに、どのバックアップに戻せばいいのか探すのに時間がかかる。ファイル容量も無駄に膨らむ。安全のために入れた機能が、管理の負担という新しいリスクを生んでいたわけです。
「安全機能」にも運用設計が必要だった
この経験から整理し直したのが、次の観点です。
- バックアップの目的を明確にする:何から守りたいのか。誤操作からか、マクロの不具合からか。目的によって、必要なバックアップの頻度と保存期間は変わります
- 保存タイミングを絞る:すべての実行でバックアップを取る必要はあるのか。データを大きく書き換える処理の前だけに限定するという考え方もあります
- 世代管理を入れる:直近数世代だけ残して古いものは消す、といった上限を設けないと、無限に増え続けます
- 本当に必要な処理だけバックアップする:読み取りだけの処理や、影響範囲の小さい処理にまでバックアップは要りません
教訓:機能を「足す」ときは、運用も一緒に設計する
バックアップに限らず、自動化では「念のため」で機能を足したくなる場面がたくさんあります。ログを残す、通知を送る、確認ダイアログを出す。どれも単体では正しい判断です。
でも、その機能が毎日・毎月動き続けたときに何が積み上がるのかまで考えないと、善意の機能が運用の重荷になります。安全機能も、運用設計がなければ新しい負担になる。 小さな失敗でしたが、自動化に対する考え方を一段深くしてくれた出来事でした。
AI介護士kaze運営者。介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士の資格を持ち、介護現場歴18年。現場のリアルな課題感を起点に、AI×介護の実用性を探求・発信しています。


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