ChatGPTに「いい感じでお願い」と打っていた私が、プロンプトを書き直して分かった5つのコツ

ChatGPTに「いい感じでお願い」と打っていた私が、プロンプトを書き直して分かった5つのコツ AIトレンド

「利用者Aさんの今日の様子、いい感じでまとめて」——数ヶ月前、私が本気でChatGPTに打ち込んでいた文章です。返ってきたのは、当たり障りのない「本日も穏やかにお過ごしになりました」的な、誰にでも使える薄い文章。これじゃ手書きの方が早いな、と画面を閉じました。

ところが最近、プロンプト(AIへの指示文)の書き方を調べ直して試したら、同じChatGPTが別人のように働いてくれるようになりました。今回は、AIに詳しくない人でも今日から使える「プロンプトの書き方」を、実際に自分で試した結果ベースでまとめます。

そもそもプロンプトって、なんでこんなに大事なの?

プロンプトは「AIへの依頼書」です。人間の部下に「あれ、いい感じでやっといて」と頼んでも困らせるだけですよね。AIも同じで、曖昧な依頼には曖昧な回答しか返せません。

面白いのは、AIの性能そのものよりも、依頼の仕方で結果が大きく変わること。同じChatGPTでも、書き方次第で「使えないな」から「これは助かる」まで振れ幅があります。

ダメなプロンプトと良いプロンプトの違い

要素 ダメな例 良い例
役割 指定なし 「あなたは〇〇の専門家です」
目的 「まとめて」 「家族への説明資料に使うため」
形式 指定なし 「300字以内・箇条書き3つ」
読み手 指定なし 「70代のご家族が読む前提で」
制約 なし 「専門用語は使わない」

試して効果を実感した5つのコツ

1. 役割を最初に与える

「あなたは介護記録の書き方に詳しいベテラン職員です」の一文を頭に付けるだけで、返答の語彙と視点が変わります。AIは指定された役割に沿った知識の引き出し方をするようです。

2. 目的と読み手を明示する

「誰が」「何のために」読むのかを書くと、文体が自動的に調整されます。ケアマネ向けなのか、家族向けなのか、監査対応なのかで、必要な情報の粒度がまるで違うからです。

3. 出力の形式を先に指定する

「箇条書きで」「表で」「200字で」と形を先に決める。これをやらないと、毎回長々とした文章が返ってきて、結局こちらで削る作業が発生します。

4. 例文を1つ見せる

「こんな感じで書いてほしい」というサンプルを1つ渡すと、口調・粒度がぐっと近づきます。ゼロから説明するより、真似してもらう方が早い。

5. うまくいかなかったら追加で指示する

一発で完璧を狙わない。「もう少し柔らかく」「専門用語を減らして」と会話を続けて仕上げていく。これに気づいてから、生成時間が体感でだいぶ短くなりました。

そのままコピペで使えるプロンプト例

例1:申し送り事項を家族向けに翻訳する

あなたは介護施設のベテラン職員です。
以下の職員間の申し送りメモを、ご家族(70代)向けの
連絡ノート用の文章に書き直してください。

【条件】 - 200字以内 - 専門用語(バイタル、ADL等)は使わず日常語で - 心配させすぎず、事実は正確に - 最後に「ご不明な点はお声がけください」を添える

【元のメモ】 (ここに申し送り内容を貼り付け)

例2:シフト作成で悩んだときの相談相手として使う

あなたはシフト作成の経験が豊富な介護主任です。
以下の状況で、考えられる調整案を3つ挙げ、
それぞれのメリット・デメリットを表形式で示してください。

【状況】 - 特養、ユニット型 - 夜勤帯に急な欠員が1名発生 - 代替候補:①日勤明けのA職員に延長依頼 ②夜勤専従Bさんに連続夜勤(本人希望あり) ③管理者が現場に入る - 制約:労基法の連続勤務規定は守りたい

判断は最終的に人間がするので、選ばず並列で提示してください。

2つ目のプロンプトで特に大事なのは最後の一行。「判断は人間がする」と明示すると、AIが変に断定せず、選択肢を整理する役割に徹してくれます。夜勤帯の急な欠員は本当に胃が痛くなる場面で、以前は電話しながら紙にぐちゃぐちゃとパターンを書き出していました。頭の整理役としてAIに聞くだけで、抜けていた選択肢に気づけたりします。

意外な落とし穴:「丁寧すぎるプロンプト」は逆効果になることがある

ここが今回一番伝えたいところです。プロンプトの解説記事を読むと「詳しく書けば書くほど良い」と誤解しがちですが、試してみると必ずしもそうではありませんでした。

ケアプラン更新の時期、担当者会議の議事録要約をAIに頼もうとして、A4一枚分の細かい指示を書いたことがあります。役割、目的、読み手、形式、禁止事項、参考例……。結果、AIは「指示を守ることに気を取られて」、肝心の要約が浅くなりました。

次に指示を半分に削り、「議事録を200字で要約。専門用語OK、事実重視」だけにしたら、こちらの方が明らかに良い要約が出てきた。

プロンプトは料理のレシピと同じで、調味料を入れすぎると素材の味が消えるのかもしれません。特に「シンプルな作業」ほど、指示は削った方が良いというのが試してみた実感です。複雑な作業(ペルソナ設定が必要な文章生成など)は細かく書く、単純な整形は最小限に、という使い分けが効きます。

プロンプト作成のときに私が使っている簡易チェックリスト

  • 誰(役割)に頼んでいるか書いたか
  • 何のために(目的)を書いたか
  • 読み手・使う場面を書いたか
  • 文字数・形式を指定したか
  • 禁止事項があれば書いたか(専門用語NG等)
  • 作業がシンプルなら、逆に指示を削ったか

この6項目を頭の中で確認するだけで、返答の質がずいぶん変わります。

まとめ:プロンプトは「AIを賢くする」んじゃなくて「自分の思考を整理する」

いろいろ試して一番の発見は、プロンプトを書く行為そのものが、自分の頭の整理になっているということでした。「誰に」「何のために」「どんな形で」——これを明文化する過程で、実は自分自身がぼんやりと考えていた依頼内容が輪郭を持ちます。

AIに指示を出せない=自分が何をしてほしいのか実は分かっていない、という残酷な事実に気づかされることも多いです。でもそれは悪いことじゃない。AIを使うことで、自分の仕事の言語化能力が鍛えられている感覚があります。

「いい感じでお願い」を卒業する。それだけで、ChatGPTは急に頼れる相棒になってくれます。まずは今日、いつも使っているプロンプトに「あなたは〇〇です」の一行を足すところから試してみてください。


この記事を書いた人
AI介護士kaze運営者。介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士の資格を持ち、介護現場歴18年。現場のリアルな課題感を起点に、AI×介護の実用性を探求・発信しています。

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