介護の現場で18年働きながら、ここ数年はAIを使った業務自動化や情報発信を副業として続けてきました。
最近は「一つの副業を頑張る」のではなく、AIと一緒に継続的に事業を見つけて検証する仕組みそのものを
作ってみようと思い、ChatGPTとClaude、それぞれに違う役割を持たせる実験をしています。
- ChatGPT:新規事業を探してくる「事業開発担当」
- Claude:その提案にあえて反対する「レビュー担当」
- 自分:最終的にGO・保留・中止を決める「社長」
先日、この体制が実際に機能した出来事があったので記録しておきます。
ChatGPTが見つけてきた「制度スタート前のチャンス」
きっかけは、経済産業省が進めている中小企業向けのセキュリティ評価制度でした。
取引先から一定のセキュリティ水準を求められる中小企業が増えている一方、制度はこれから本格的に
始まる段階。ChatGPTはここに目をつけ、
「専門家に相談する前段階を、AIでサポートするサービスを作れないか」
という提案書を作ってきました。制度開始前で競合も少なく、悪くないタイミングに見えました。
評価は「条件付きでGO」。正直、自分もこのまま進めたい気持ちがありました。
Claudeが見つけた「見えていなかった競合」
ただ、今回はここで即決せず、Claudeにも独立して同じ案件を調べてもらいました。
ChatGPTの提案書は一切見せず、ゼロから同じテーマを調べてもらう形です。
そこでClaudeが指摘してきたのが、こういう内容でした。
「経済産業省・IPA自身が、同じ中小企業向けに、評価から対策実装、専門家確認までを
安価にワンストップで提供する支援制度を、まさに今実証実験している」
つまり、国がこれから作ろうとしている無料に近い選択肢と、真正面からぶつかるということです。
ChatGPTの競合調査には、民間のコンサルやツールしか出てきておらず、この「国自身が競合になる」
という可能性は完全に抜け落ちていました。
結論:本開発の前に、始めるのをやめた
最終的な判断は「本開発はしない。保留」でした。
面白かったのは、二つのAIがまったく違う結論を出したことです。
ChatGPT:「制度が始まる前だからチャンスがある」
Claude:「国が同じ市場を安く埋めようとしている」
もし片方のAIだけに相談していたら、おそらくそのまま開発に進んでいたと思います。
AIを2つ使うことの意味を、初めて実感した瞬間でした。
この経験から得た教訓
AIに壁打ち相手をしてもらうとき、つい「同じ会話の中で両方に意見を聞く」ということをやりがちですが、
それだと後から発言したAIが先の発言に引っ張られてしまいます。
今回のように、
- 同じテーマを、別々に、独立して調べさせる
- 結論が一致しているかより、どこで意見が割れたかを見る
- 割れた理由を人間が判断材料にする
という進め方の方が、思い込みに気づきやすいと感じました。
一つの事業を始める前に「始めない」という判断ができたのも、今回の一番の収穫だったかもしれません。
この記事を書いた人
AI介護士kaze運営者。介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士の資格を持ち、介護現場歴18年。現場のリアルな課題感を起点に、AI×介護の実用性を探求・発信しています。


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