- 「また同じ転記作業してる…」介護現場のリアルな時間の使い方
- たとえばこんな場面、思い当たりませんか?
- これ、全部「Excelは使ってるけど、手作業でやってる」パターンです。私の職場でも、ベテランのスタッフが毎月末に「集計地獄」と戦っています。
- そもそもExcel VBAって何?難しい?
- 特別なソフトは不要で、Excelがあれば今すぐ使えます。費用も0円。これは現場にとって大きなポイントです。
- 介護業務のどこにVBAが使えるか?具体的に考えてみた
- 現場の業務を振り返りながら、「VBAが使えそうな場面」を整理してみました。
- 難易度は★☆☆(マクロ記録でOK)〜★★★(VBAコードの編集が必要)で表しています。
- 実際にやってみてわかった「できること・できないこと」
- 「マクロの記録」を使って、申し送り表の自動作成に挑戦しました。手順は以下の通りです。
- 特に最後の「メンテナンスの担当者」は見落としがちです。作った人が異動や退職をすると、誰も触れないブラックボックスになるリスクがあります。
- 現場の介護士として感じた「VBA自動化」の正直な評価
- 調べて、触ってみて、率直に感じたことをまとめます。
- まとめ:小さな自動化が、ケアの時間を守る
「また同じ転記作業してる…」介護現場のリアルな時間の使い方
正直に言います。介護士18年やってきて、「なんでこんな単純作業に1時間もかかってるんだろう」と思う瞬間が、今でもあります。
たとえばこんな場面、思い当たりませんか?
- 利用者さんのバイタル記録をケア記録から月次集計表に転記する
- シフト表をもとに、職員ごとの勤務時間を手計算でまとめる
- 請求書類のために、介護記録から「何月何日に何のサービスを提供したか」を拾い上げる
- 申し送り用のExcelを毎日同じフォーマットで1から作り直す
これ、全部「Excelは使ってるけど、手作業でやってる」パターンです。私の職場でも、ベテランのスタッフが毎月末に「集計地獄」と戦っています。
そこで今回、Excel VBA(マクロ)を使って介護業務の事務作業を自動化できないか、本気で調べて、実際に触ってみました。技術的に詳しくない方にも「ああ、これうちでも使えそう」と感じてもらえるように、現場目線でまとめます。
そもそもExcel VBAって何?難しい?
「VBA」と聞くと「プログラミングでしょ?私には無理」と思う方が多いと思います。私も最初はそうでした。でも調べてみると、意外と取っつきやすい部分もありました。
VBAをざっくり説明すると
VBAとは「Visual Basic for Applications」の略で、ExcelやWordなどのOffice製品に組み込まれているプログラミング言語です。要するに「Excelに命令を出して、繰り返し作業を自動でやってもらう仕組み」です。
たとえば「A列のデータを読んで、条件に合うものだけB列にコピーして、合計を計算して、別シートに貼り付ける」という作業を、ボタンひとつで実行させることができます。
特別なソフトは不要で、Excelがあれば今すぐ使えます。費用も0円。これは現場にとって大きなポイントです。
「マクロの記録」機能なら、コードを書かなくていい
VBAの中に「マクロの記録」という機能があります。これは自分がExcelでやった操作を録画して、自動で同じことを繰り返してくれる機能です。プログラムを書く必要がありません。
私が実際に試してみたのはこの機能です。月次の申し送り表を作る操作(シートのコピー→日付の入力→特定のセルの色付け)をマクロに記録したところ、毎回5分かかっていた作業が約15秒で終わるようになりました。
介護業務のどこにVBAが使えるか?具体的に考えてみた
現場の業務を振り返りながら、「VBAが使えそうな場面」を整理してみました。
| 業務内容 | 現状の手間 | VBAで自動化できること | 難易度 |
|---|---|---|---|
| バイタル月次集計 | 1件あたり約3分×利用者40名=約120分 | 日別シートから月次シートへの自動集計 | ★★★ |
| 申し送り表の日次更新 | 毎日約5〜10分 | テンプレートのコピー・日付自動入力 | ★☆☆ |
| シフト勤務時間の集計 | 月末に約2〜3時間 | 職員別・合計時間の自動算出・色分け | ★★☆ |
| サービス提供実績の一覧化 | 請求前に約3〜4時間 | 記録から実績を自動抽出・一覧出力 | ★★★ |
| 利用者情報の転記 | 更新のたびに複数シートを手入力 | 1か所の変更を関連シートに自動反映 | ★★☆ |
難易度は★☆☆(マクロ記録でOK)〜★★★(VBAコードの編集が必要)で表しています。
実際にやってみてわかった「できること・できないこと」
意外とできた!申し送り表の自動作成
「マクロの記録」を使って、申し送り表の自動作成に挑戦しました。手順は以下の通りです。
- 「開発」タブ→「マクロの記録」をクリック
- いつも通り申し送り表を作る操作をする(テンプレートシートをコピー、日付入力、ヘッダー色変更など)
- 「記録終了」をクリック
- 次回からはボタン1つで同じ操作が再現される
所要時間はマクロの設定自体に約30分。それ以降、毎日の申し送り表作成が5分→15秒になりました。月に換算すると、約2時間の節約になります。
難しかった!複数シートをまたぐ集計処理
バイタルの月次集計は、「マクロの記録」では限界がありました。利用者ごとに日別シートが分かれているため、「どのシートのどのセルを読むか」という条件分岐が必要で、ここはVBAのコードを少し書く必要がありました。
ChatGPTに「介護施設の利用者ごとのバイタルシートから月次集計を自動でする VBAコードを書いて」と依頼したところ、ベースとなるコードを出してもらえました。それを実際のシート名に合わせて修正することで、約120分の作業が15分以内に短縮できる見込みが立ちました(現在検証中です)。
導入する前に確認すべきこと
- 施設のPCにExcelが入っているか(バージョンによっては「開発」タブが非表示)
- マクロの実行が許可されているか(セキュリティ設定で無効になっている場合がある)
- 個人情報を含むファイルへのアクセス権限はどうなっているか
- 作成したマクロを誰がメンテナンスするかのルール決め
特に最後の「メンテナンスの担当者」は見落としがちです。作った人が異動や退職をすると、誰も触れないブラックボックスになるリスクがあります。
現場の介護士として感じた「VBA自動化」の正直な評価
調べて、触ってみて、率直に感じたことをまとめます。
- 良い点:費用がかかからない、今あるExcelに組み込める、小さな作業から始められる
- 課題:ある程度の学習コストがかかる、介護ソフトとの連携は難しい場合が多い、属人化のリスクがある
- 向いている施設:Excelで記録・集計をしている施設、担当者が1〜2名でも学ぶ意欲がある施設
- 向いていない施設:すでに介護専用ソフトで一元管理している施設(そちらの機能を深掘りした方が早い)
「AIを使った自動化」とはまた違いますが、VBAは「現場のDX入門」として、今すぐ始められる最もハードルの低い手段のひとつだと実感しています。
まとめ:小さな自動化が、ケアの時間を守る
介護の仕事で一番大切なのは、利用者さんと向き合う時間です。でも現実には、転記・集計・書類作成といった事務作業に、現場の時間とエネルギーが削られ続けています。
Excel VBAは、特別な設備も費用もなく、今日からでも試せる自動化の手段です。全部を一度にやろうとする必要はありません。まず「毎日5分かかってる、あの繰り返し作業」に絞って、マクロの記録機能を試してみてください。
私自身、「介護現場にDXを」と発信している身として、派手なAIツールだけでなく、こうした地道な自動化の積み重ねこそが、現場を変える第一歩だと信じています。
完璧じゃなくていい。まず1つ、試してみることが大事です。


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