【Excel VBA×介護業務】面倒な作業を自動化できるか検証

【Excel VBA×介護業務】現場の「あの面倒な作業」を自動化できるか?調べて試してわかったこと 業務自動化

「また同じ転記作業してる…」介護現場のリアルな時間の使い方

正直に言います。介護士として長年働いてきて、「なんでこんな単純作業にこんなに時間がかかっているんだろう」と思う瞬間が、今でもあります。

たとえばこんな場面、思い当たりませんか?

  • 利用者さんのバイタル記録をケア記録から月次集計表に転記する
  • シフト表をもとに、職員ごとの勤務時間を手計算でまとめる
  • 請求書類のために、介護記録から「何月何日に何のサービスを提供したか」を拾い上げる
  • 申し送り用のExcelを毎日同じフォーマットで1から作り直す

これ、全部「Excelは使ってるけど、手作業でやってる」パターンです。多くの施設で、ベテランのスタッフが毎月末に「集計地獄」と格闘している光景を目にします。

そこで今回、Excel VBA(マクロ)を使って介護業務の事務作業を自動化できないか、本気で調べて、実際に触ってみました。技術的に詳しくない方にも「ああ、これうちでも使えそう」と感じてもらえるように、現場目線でまとめます。

そもそもExcel VBAって何?難しい?

「VBA」と聞くと「プログラミングでしょ?私には無理」と思う方が多いと思います。私も最初はそうでした。でも調べてみると、意外と取っつきやすい部分もありました。

VBAをざっくり説明すると

VBAとは「Visual Basic for Applications」の略で、ExcelやWordなどのOffice製品に組み込まれているプログラミング言語です。要するに「Excelに命令を出して、繰り返し作業を自動でやってもらう仕組み」です。

たとえば「A列のデータを読んで、条件に合うものだけB列にコピーして、合計を計算して、別シートに貼り付ける」という作業を、ボタンひとつで実行させることができます。

特別なソフトは不要で、Excelがあれば今すぐ使えます。追加費用もかかりません。これは現場にとって大きなポイントです。

「マクロの記録」機能なら、コードを書かなくていい

VBAの中に「マクロの記録」という機能があります。これは自分がExcelでやった操作を録画して、自動で同じことを繰り返してくれる機能です。プログラムを書く必要がありません。

私が実際に試してみたのはこの機能です。月次の申し送り表を作る操作(シートのコピー→日付の入力→特定のセルの色付け)をマクロに記録したところ、毎回数分かかっていた作業が数十秒程度で終わるようになりました。体感としてかなりの短縮を感じています。

介護業務のどこにVBAが使えるか?具体的に考えてみた

現場の業務を振り返りながら、「VBAが使えそうな場面」を整理してみました。

業務内容 現状の手間 VBAで自動化できること 難易度
バイタル月次集計 利用者人数によってはかなりの時間を要する 日別シートから月次シートへの自動集計 ★★★
申し送り表の日次更新 毎日一定の時間がかかる テンプレートのコピー・日付自動入力 ★☆☆
シフト勤務時間の集計 月末にまとまった時間が必要 職員別・合計時間の自動算出・色分け ★★☆
サービス提供実績の一覧化 請求前に相応の作業時間がかかる 記録から実績を自動抽出・一覧出力 ★★★
利用者情報の転記 更新のたびに複数シートを手入力 1か所の変更を関連シートに自動反映 ★★☆

難易度は★☆☆(マクロ記録でOK)〜★★★(VBAコードの編集が必要)で表しています。

実際にやってみてわかった「できること・できないこと」

意外とできた!申し送り表の自動作成

「マクロの記録」を使って、申し送り表の自動作成に挑戦しました。手順は以下の通りです。

  • 「開発」タブ→「マクロの記録」をクリック
  • いつも通り申し送り表を作る操作をする(テンプレートシートをコピー、日付入力、ヘッダー色変更など)
  • 「記録終了」をクリック
  • 次回からはボタン1つで同じ操作が再現される

マクロの設定自体にかかる時間は最初の一度だけで、それ以降は毎日の申し送り表作成がかなりの時間短縮になりました。慣れれば月単位でみても体感できる効果があります。

難しかった!複数シートをまたぐ集計処理

バイタルの月次集計は、「マクロの記録」では限界がありました。利用者ごとに日別シートが分かれているため、「どのシートのどのセルを読むか」という条件分岐が必要で、ここはVBAのコードを少し書く必要がありました。

ChatGPTに「介護施設の利用者ごとのバイタルシートから月次集計を自動でする VBAコードを書いて」と依頼したところ、ベースとなるコードを出してもらえました。それを実際のシート名に合わせて修正することで、まとまった手作業の時間をかなり短縮できる見込みが立ちました(現在検証中です)。

導入する前に確認すべきこと

  • 施設のPCにExcelが入っているか(バージョンによっては「開発」タブが非表示)
  • マクロの実行が許可されているか(セキュリティ設定で無効になっている場合がある)
  • 個人情報を含むファイルへのアクセス権限はどうなっているか
  • 作成したマクロを誰がメンテナンスするかのルール決め

特に最後の「メンテナンスの担当者」は見落としがちです。作った人が異動や退職をすると、誰も触れないブラックボックスになるリスクがあります。

現場の介護士として感じた「VBA自動化」の正直な評価

調べて、触ってみて、率直に感じたことをまとめます。

  • 良い点:追加費用がかからない、今あるExcelに組み込める、小さな作業から始められる
  • 課題:ある程度の学習コストがかかる、介護専用ソフトとの連携は難しい場合が多い、属人化のリスクがある
  • 向いている施設:Excelで記録・集計をしている施設、担当者が少数でも学ぶ意欲がある施設
  • 向いていない施設:すでに介護専用ソフトで一元管理している施設(そちらの機能を深掘りした方が早い)

「AIを使った自動化」とはまた違いますが、VBAは「現場のDX入門」として、今すぐ始められる最もハードルの低い手段のひとつだと実感しています。

まとめ:小さな自動化が、ケアの時間を守る

介護の仕事で一番大切なのは、利用者さんと向き合う時間です。でも現実には、転記・集計・書類作成といった事務作業に、現場の時間とエネルギーが削られ続けています。

Excel VBAは、特別な設備も追加費用もなく、今日からでも試せる自動化の手段です。全部を一度にやろうとする必要はありません。まず「毎日繰り返している、あの手作業」に絞って、マクロの記録機能を試してみてください。

私自身、「介護現場にDXを」と発信している身として、派手なAIツールだけでなく、こうした地道な自動化の積み重ねこそが、現場を変える第一歩だと信じています。

完璧じゃなくていい。まず1つ、試してみることが大事です。

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